2025.8.4

準備が整い、いよいよ体験者の皆さまを迎える時間。
小学生スタッフ、高校生ボランティアともにそれぞれ担当場所にスタンバイ。

体験は2部構成。
図書館地下1階の「おはなしのへや」にぞくぞくと体験者が集まってきました。

まずは、高校生ボランティアの代表による開会の挨拶から。
緊張しながらも堂々と話す高校生の姿は頼もしく、体験者たちの目が自然と引き寄せられます。
「怖い?」と高校生が体験する子どもたちに優しく声をかける場面では、その場の雰囲気を和らげてくれました。

そして…
会場の照明がすっと落とされ、空間が一気に暗くなりました。
ざわついていた空気が静まり、思わず息をのむような瞬間。
図書館スタッフによる”怪談”がはじまり、緊張感がじわじわと高まっていきます。

語られたのは「ちいちゃいちいちゃい」と「金の腕」という2つの物語。
語りの声が静かな館内に響き渡り、子どもも大人もじっと耳を傾ける時間。
物語の世界が広がり、ドキドキと期待が膨らんでいきます。

この怪談を聞いたあとに始まるおばけ屋敷体験は、まさに“物語の世界に入り込む”ような感覚。
特に「金の腕」チームは、この怪談から着想を得て空間づくりを進めており、物語としかけがリンクする演出に体験者も驚きの声をあげていました。

怪談が終わると、いよいよ体験スタート。

体験者は2つのグループに分かれ、それぞれ1階と2階へ移動。
高校生ボランティアが案内役として登場し、フロアの“世界観”を語ります。

2階は「金の腕を返せ!」
お墓からなくなった金の腕を返さなければなりません。

1階は「なくしもの~本子ちゃんのなくした本を探せ」
本子ちゃんがなくした大切なものを、ヒントをたどって見つけ出す謎解き要素があるしかけ。

小学生スタッフは、それぞれの担当場所に“しかけ係”として、息をひそめて待ち構えます。
物陰に潜みながらタイミングを見計らい、音を鳴らしたり、動いたり、風船を割ったりと、自分で考えたしかけを実行していきます。
体験者の反応を見ながら、「もっと驚かせられるかも」「次はこうしてみよう」と、自分たちの動きをふりかえり、次に向けて工夫を重ねていました。

高校生たちは、案内役としての動きだけでなく、裏方でのサポートや体験者への声かけなど、場づくりにも積極的に関わってくれました。
小学生のアイデアを尊重しながら、必要な場面ではさりげなくフォローし、世代を超えたチームワークが光ります。

終わった後、体験者からはこんな声も…
「図書館でこんな体験ができるなんて思わなかった!」
「こどもたちのしかけ、ほんとにびっくりした!」
「怖かったけど、すごく楽しかった!また来たい!」

最後のふりかえりでは、子どもたちからこんな声が聞かれました:
「もっとこうしたかった!」「来年もやりたい!」
「最初は緊張したけど、楽しかった!」
「自分たちでつくったって感じがして、すごくうれしい!」


今回の取り組みは、四街道市ボランティアセンター、そして四街道市立図書館との連携によって実現しました。企画段階から当日の運営まで、共に考え、動き、支えてくださったことに、心より感謝申し上げます。
とくに、ボランティアセンターが実施している「よつボラハイスクール」の存在はとても大きく、企画段階から当日の運営まで、高校生ボランティアと一緒に考え、動き、支えてもらいました。
彼らの柔軟な発想と行動力が、今回の企画をぐっと面白くしてくれただけでなく、小学生スタッフとの連携もスムーズで、安心して見守ることができました。

そして、子どもたちの挑戦をあたたかく見守り、必要な場面ではそっと手を差し伸べてくださった講師の大和久さん。
子どもたちの声に耳を傾け、主体性を尊重しながら寄り添うその姿は、まさに“こどもまんなか”の関わり方でした。
その関わりは、子どもたちに安心感を与えるだけでなく、私たち大人にも多くの気づきをもたらしてくれたように思います。
こんなふうに寄り添える大人が増えていけば、子どもたちがのびのびと挑戦できる場も、もっと広がっていくはずです。

自分たちで考え、つくり、届けるというこの体験が、子どもたちの中に「やってみたい」という気持ちの芽を育てるきっかけになっていたらと嬉しいです。