Story 7は、テレビディレクターとして働く萩谷さんの裏ストーリーをご紹介します。

冊子では、テレビディレクターという仕事のやりがいや思いを紹介しましたが、ここでは誌面には入りきらなかった現場での工夫や葛藤、そして仕事に向き合う姿勢について、もう少し詳しくお届けします。


一人で現場に立つ責任

すべてを背負うという覚悟

テレビディレクターの仕事は、華やかなイメージを持たれることもありますが、実際の現場では一人で取材に向かうことも少なくありません。

朝は機材の準備から始まり、取材先に向かい、撮影やインタビューを行い、その日のうちに原稿を書き、編集作業まで行うこともあります。
一つの番組や映像の中には、数えきれないほどの判断や工夫が詰まっています。

「現場の空気を、自分の目と耳でしっかり感じ取りたい」

その思いがあるからこそ、ただ映像を撮るだけではなく、その場に流れる雰囲気や人の表情、言葉の背景までを感じ取ろうと意識しているといいます。

すべてを自分で担うからこそ責任は大きいですが、その分、映像が完成したときの達成感も大きいそうです。


「預かった想い」に寄り添う仕事

萩谷さんが最も大切にしているのは、「預かった想いを正しく届けること」です。

取材の中では、地域で活動する方や、何かに挑戦している人の思いに触れる機会がたくさんあります。
その言葉や表情の一つひとつには、それぞれの人生や背景があります。

ただ出来事を伝えるだけではなく、
「この人は何を伝えたいのか」
「どんな思いでここに立っているのか」

そんなことを考えながら、映像の構成や言葉の選び方を決めていくそうです。

取材相手との信頼関係を築くことも、この仕事の大切な役割の一つです。
時間をかけて話を聞き、安心して思いを話してもらえる関係をつくることが、良い映像につながっていくと感じていると話してくれました。


納得できるまで向き合う理由

萩谷さんは、「自分が納得できるところまでやらないと気が済まない」と話します。

編集作業では、同じ映像を何度も見返し、「この伝え方で本当に伝わるだろうか」と考え続けることもあります。
細かな表現や順番を少し変えるだけでも、見る人の受け取り方が大きく変わることがあるからです。

自分自身が納得できるものを届けたい——。
その思いが、映像のクオリティを高める原動力になっています。

また、自分が作った映像を見た人が、何かに挑戦したり、新しい一歩を踏み出したりするきっかけになったとき、この仕事の意味を強く感じるそうです。


誰かの「次の行動」を生む仕事

映像は、見た人の心を動かす力を持っています。

地域で頑張っている人の姿や、挑戦している人の思いが伝わることで、「自分もやってみたい」と感じる人が生まれることもあります。

「自分の作った映像が、誰かの次の行動のきっかけになったらうれしい」

その思いがあるからこそ、画面の向こうにいる人のことを想像しながら、日々の仕事に向き合っています。


「迷ったら、難しい道へ」

進路に悩む学生に向けて、萩谷さんはこんな言葉を届けてくれました。

「迷ったときは、難しい道を選ぶようにしています」

簡単な道ではなく、自分にとって少し厳しい道や、新しい挑戦になる道を選ぶことで、自分自身の力が少しずつ伸びていくと感じているそうです。

今考えている夢が、将来変わることもあるかもしれません。
それでも、その時々で本気で向き合った経験は、必ず自分の力になります。

迷ったときほど、自分を成長させてくれる選択を——。
そんな力強いメッセージが込められていました。