「かっこいい!」から始まった救命士への道
第2回は、救急救命士として働く中井さんの裏ストーリーをご紹介します。
冊子では紹介しきれなかったお話の中には、進路に迷っていた学生時代のことや、24時間体制で働く日々のこと、そして仲間と支え合いながら現場に向き合う思いなど、救急救命士という仕事の奥深さを感じるエピソードがたくさんありました。
ここでは、誌面には入りきらなかった中井さんの経験や思いを、もう少し詳しくご紹介します。
進路に迷っていた高校時代
中井さんは高校時代、「人を助ける仕事がしたい」という思いはあったものの、どんな仕事が自分に向いているのか分からず、進路に迷っていた時期があったといいます。
そんな中で訪れた消防署見学が、大きな転機となりました。
そこで目にしたのが、救急救命士として働く姿でした。
「かっこいい!」
そう感じた瞬間が、この仕事を目指すきっかけになりました。
理屈ではなく、「自分もこうなりたい」という素直な憧れが、進む道を決める大きな一歩につながったといいます。
福岡から千葉へ、新しい環境への挑戦
現在、中井さんは福岡県出身で、千葉県の消防に就職しました。
縁もゆかりもない土地で働くことには、不安もあったといいます。
家族や友人のもとを離れ、新しい土地で生活を始めることは、決して簡単なことではありません。それでも、「この仕事がしたい」という思いが、不安よりも大きかったそうです。
新しい環境の中で少しずつ慣れながら、仲間との関係を築き、今では安心して働ける場所になっているといいます。
24時間体制で命を守る仕事
救急救命士の仕事は、24時間体制で続いています。
食事の途中でも、仮眠中でも、要請が入ればすぐに出動します。
生活リズムが不規則になりやすく、体力的にも大変な仕事ですが、現場では常に冷静な判断が求められます。
一つひとつの現場に向かうたびに、緊張感を持ちながら行動しているそうです。
「一人ではできない仕事だからこそ、仲間との連携がとても大切です」
現場では、声を掛け合いながら状況を共有し、チームとして動くことが欠かせません。
仲間とともに乗り越えた学びの日々
救急救命士になるためには、専門的な知識や技術を身につける必要があります。専門学校時代は、勉強の難しさに悩むこともあったそうです。
覚えることも多く、思うように理解できず、悩んだこともありました。それでも、同じ目標を持つ仲間と励まし合いながら学び続けたことで、少しずつ自信を持てるようになっていきました。
現場に出てからも、新しい知識や技術を学び続ける日々は変わりません。
「この仕事は、ずっと学び続ける仕事だと思っています」
そう話す言葉からは、責任の大きさと、仕事への真剣な思いが感じられました。
支えになった「自分を出せばいい」という言葉
就職活動の時期には、思うように結果が出ず、不安な気持ちを抱えたこともありました。
周囲が進路を決めていく中で、自分だけが取り残されているように感じることもあったそうです。
そんなとき、友人からかけられた
「もっと自分を出せばいい」
という言葉が、大きな支えになりました。
面接では無理に自分を良く見せようとするのではなく、ありのままの自分を伝えることを大切にしたといいます。
「あの言葉があったから、今があると思います」
これからも続く挑戦
現在も、中井さんは新しい目標に向かって努力を続けています。
どんな現場でも冷静に判断し、仲間から信頼される存在になること。
そして、一つひとつの経験を積み重ねながら、救急救命士として成長し続けていきたいという思いを持っています。
「まだまだこれからだと思っています」
そう話す中井さんの姿からは、命を守る仕事に向き合い続ける強い意志が感じられました。