10月19日、みんなで災害支援ネットワークの学習会として、(一社)ピースボート災害支援センター 関根正孝さんを講師にお迎えして、「支援を活かす地域力ワークショップ」を開催しました。今回のワークショップには、39名の方が参加されました。

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講師の関根さんの講義「災害支援の現場から」をお聴きした後、グループワーク①「発災時、情報を得る手段、発生しうる課題とは」とグループワーク②「災害時にはどんな課題が起こりうるか考えよう」の2つをテーマに、5グループ(A・B・C・D・E)に分かれ、ワークショップを行いました。

グループワーク① では「情報を得るのが難しい人はだれか」「情報を共有するための工夫を考える」をワーク。グループワーク②では「どのような課題が起こる可能性があるか」「思いついた課題に対してどんな人・組織が 対応できるかを考える」をワークし、 各グループ毎の発表 により、災害時における課題を共有しました。

最後に、澤畠 博 四街道市危機管理監が「四街道市における地域防災の現状」についてのお話をされ、みんなで災害支援ネットワークの今後の取り組みへの新たな指針を得ることが出来ました。

【ワークショップのまとめ】

①「情報を得るのが難しい人はだれか」「情報を共有するための工夫を考える」

 地域において、「平時からのつながり」「顔の見える関係」が災害時には大切という意見が多い。一方で、近所とのつながりを作れない、作りたくない人もいるのが現実で、アパート住人や外国人、更にペットを飼っている人たちなど、つながりたくても繋がれない人たちや、人との繋がりが希薄故に、敢えてそこに住んでいる人もいる。それ故に、いわゆるデジタル難民と言われる人々も含めて、孤立している人への情報提供が課題。

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②「どのような課題が起こる可能性があるか」「思いついた課題に対してどんな人・組織が 対応できるかを考える」

 自治会未加入者への情報伝達や支援が困難ということで、「市民はすべて自治会に加入しなければならないという条例を作った方がよいのでは」というような意見もあった。自治会は、任意団体であることを再確認しなければならない。災害時に、自治会がすべての地域住民を救済しなければならないという誤解があるのか?また一方で、「自治会は、自治会々員のみを支援する」「自治会役員は、自治会の支援活動を行う」という意見から、閉鎖的な体質も垣間見えた。

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「課題に対して、対応できる思い当たる人や団体を考える」については、身近な人や自治会、サークルを挙げる人が多数。一方で、災害時に、救援活動の主体となるべき、市や災害ボランティアセンター(社会福祉協議会)を挙げる人がほとんど見当たらず、災害時に、行政が、どのような支援をどのような形、手順で行われるのか?、相談窓口はどこなのか?が市民に伝わっていないことがわかった。まずは「防災」だが、それでも災害が発生したら「どのような手順で、救援・支援を受けられるのか」の情報があれば、それを基により一層具体的な支援策が、議論できたように思われる。

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 結論として、災害支援は、「出来ることをしてあげて、出来ないことをしてもらう」共助の形に他なりません。
 そうであるならば、「出来る人を増やし、出来ることを増やす」人の繋がりが重要になる。そこに、災害支援ネットワークの価値があると思います。