5月20日に実施した「みんなで災害支援を考えよう1」~障害のある人の支援~ において、災害が発生した時、障害者等、支援を必要とする人にとって≪避難所までの避難の安全確保と≫≪避難所での生活が不安なく過ごせること≫が大きな課題であった。

 災害が発生して、避難しなければならない状況で、避難所での生活に不安を感じる障害者は、在宅避難を選択しがち。障害者の支援を考える時、避難所までの安全確保と障害者の安否確認、そして、避難所での生活環境に目を向けることの大切さについて多くの意見が出ました。

 四街道市においては、障害者が避難する所として11か所の”福祉避難所”がありますが、「誰が、どの様な状況で、どの様に利用できるのか」など、ほとんど詳しい情報を得ていません。
 そこで障害者が不安なく過ごせる福祉避難所について考え、情報を共有する場として、「みんなで災害支援を考えよう2」~福祉避難所って?~をテーマとして11月10日(水)に講座を開催しました。

  社会福祉法人福祉楽団理事長 飯田大輔さんによる講演「福祉避難所のリアル」の中で、一昨年の台風19号による停電という事態の中、香取市にある施設「杜の家くりもと」に、香取市から市内のグループホームの要介護入居者17名を福祉避難所として受け入れを打診され、受け入れを決断したという経緯から≪福祉避難所は、災害時には、障害者が随時避難できるという場所ではなく、行政による要請と施設による許諾が有って、利用できるものであった≫ことが分かりました。

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ワークショップでは、多くの不安や分からないことへの発言がありましたが、(意見集約表を参照) 大別すると

①福祉避難所の情報が無いことによる意見

②福祉避難所までの安全確保に関すること

③支援のマンパワーの確保

④地域の理解と地域との交流 の4つに大別されました(色分け)

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 これまで障害者は一般の避難所へ避難し、その後、福祉避難所へ移す必要のある方を特定し、施設に要請するという手順を踏むことになっていたものが、今年度の法改正により、直接福祉避難所へ行くことが可能になったということで、「何時、誰が、どの避難所に行けば良いのか」という質問も多くありました。 

◆これらの意見や疑問を後日、市の福祉部門の担当者とヒヤリングという形で意見交換する場を持ちました

 ・法改正もあり、利用可能な施設(福祉避難所)については、支援が必要な一人一人について「個別避難計画」を作成する必要があり、行政も見極めながら、施設、要支援者の三者の合意を経て決定するので、その作業に相当の時間を必要としている。

・市としても各施設の体力や福祉避難所としての充実を図りたいが、 そのためにも、受け入れ者のリスト(データベース)を施設職員と共有し、リアルタイムに更新可能なシステムを作る必要がある。

・現在は、避難者を収容できるだけの福祉避難所の量(=ハコ)が不足している。今後は、福祉施設の中でも入居・滞在型ケアを生業としていない通所施設とも協定を結んでいかねばならない。

・高齢者については、受け入れ時に個別避難計画を把握している必要がある。個別避難計画無しの受け入れは困難であり、福祉避難所としてさらに専門的な施設とその知識のある人材が必要。

・自主防災組織は自治会ごとに動いている。市内の80を超える自治会のうち、大きな自治会などは意識も高く、動きも組織的なところもあるが、ぜひ有事の場合、それぞれの地域で、障害者の避難の重要性に目を向けてほしい。行政としては、障害者福祉と自治会、この両輪をどう動かしていくかが課題であり、現在再編中の地域防災計画に福祉避難所への対応についても組み込んで行く予定。

   福祉避難所を充実したものにするには、ハコを増やす、ハコの充実とともに、障害者自身と地域のつながりが重要になってくる。今後、福祉避難所の準備が進んだとしても、マンパワーは地域の人に頼ることになるので、各施設も他業種や地域とつながって欲しい。行政としては、 福祉避難所からのリクエストは吸い上げることができるが、物資以外の供給に対しては不安を抱えている。・・・以上、市の福祉部門の担当者の意見

≪ 四街道市みんなで地域づくりセンター 今後の取り組み ≫

 福祉避難所の情報が少ないのが第一の課題と考えられる事から、行政や施設と協力して、広報活動を進めたい。災害時の障害者(要支援者)支援は、地域の協力が欠かせないことから、地域への理解促進と支援の輪づくりへの働き掛けを進めて行く。また、災害支援ネットワークによる支援の繋がりの輪を広める中で、政策推進課をはじめとする市の関係各部署との連携・協働、災害VC(社会福祉協議会)、地域包括支援センター、指定避難所運営委員会、福祉施設など関係機関との連携・協働を進めて行きます。

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 今回飯田さんの講演で使用した 「福祉楽団が学んだ未来への備え 2019年台風災害の記録と検証」はみんなで地域づくりセンターで閲覧可能です。どうぞご覧ください。