10月27日(日)午前中を使って和良比小学校にて和良比小避難所に関連した訓練が行われました。

台風15号に続き19号、そして一昨日の大雨。今年は自然災害が「いつか来るもの」ではなく、「いつでも起こリ得るもの」として捉えられる一年でした。避難所開設運営訓練も、いつにもまして緊張感に包まれる中で当日を迎えました。

この日に向けて運営委員会では、毎月の事務局会議や活動班・会員ボランティアごと、区・自治会や担当分野ごとに話し合いを重ねてきました。当日の訓練に向けて住民への告知も回覧板などを通じて十分に案内されているようです。

当日はまず、各区・自治会単位での訓練です。早朝、運営委員は会員の家を周り、安否確認しました(家族が無事な場合、区・自治会で決められた色の布を張り出すことになっているそうです)。さらに避難経路のチェックも行います。

続いて9時、委員会メンバーは和良比小学校に集合。活動班ごとに打ち合わせを重ね、道具や展示物の準備に走り回ります。

避難所となる小学校は校舎全体を貸し切り、体育館の外に「救護室」「授乳室」や「要支援の高齢者とその家族の居住エリア」など避難者の側に立った細かいスペースが作られました。障害者向けの居住スペースに向けて、担当者が車いすに乗り玄関からの移動の安全度を確認する徹底ぶり。気になる箇所は、即和良比小学校の教頭先生にとどけ、改良工事を依頼します。

また体育館内には、段ボールトイレやダンボールベッド、飛散したガラスを片付ける道具などが展示されました。校内いたるところに避難所のマップや災害情報などの掲示物も貼りだされます。

10時、校庭に避難者(住民)が続々集合し始めます。高齢の方から乳幼児を連れた親子連れなどさまざまです(後ほど今回の参加者は257人と発表)。大雨直後のせいか、参加者の表情も真剣です。校庭で集まる単位は区・自治会ごと。総務班が人数や各人の身体状況を確認後、体育館へ。狭い玄関に避難者が押し寄せないよう受付担当者は頻繁に声を掛け、整然と入場できる方法を確認します。

開会宣言の後、避難者はグループごとに組長・副組長を決め、組長は運営委員会室へ。委員長・事務局長も同席し、避難所開設時には当面の動きや問題解決の方法を話し合い決定する場となります。

副組長は避難所のルールを読み上げ、全員で避難所生活のイメージを高めました。

その後避難者は体育館後方の展示物を見学。簡易ベッドやトイレなど事務局メンバーが作り方や使い方を丁寧に説明します。それらに実際に寝てみたり座ってみたり、その丈夫さや安全性を確認します。

あいにく当日も県内で大雨警報が発令されたため、危機管理室からの指導や救援物資の配布訓練は実現しませんでしたが、その分避難者は時間をかけて避難生活で最初に必要となる段ボールトイレや新聞紙を使ったスリッパ作りに注力できました。子どもたちも高齢の方も参加して和やかな雰囲気です。

避難者の皆さんが活動班や会員ボランティアのリードで行った活動終了後、駆け付けられた佐渡市長のお話を聞いてこの日の訓練は無事に終了しました。

今日の長い一日を振り返り

「今回の訓練を終えて出た反省点などを共有、改善し、来年以降の糧にしたいと思います」と沖田委員長。

長く運営に携ってきた阿部事務局長は「地震だけでなく、台風や大雨といったほかの自然災害にも目を向けて、早急に万全の対策をとる必要がとあることを痛感しました」と話してくださいました。

地域住民が一か所に集まることは、簡単そうで実は大変難しいこと。年に1回とはいえ、避難者として顔を合わせ、防災について考えるこの機会は大変貴重な時間です。防災以外にも、地域の抱える課題についても大いに話し合う場になったことでしょう。

「自分の地域は自分で守る」。みんなで地域づくりセンターは、これからもそんな地域の取り組みについて情報発信をしていきたいと思います。