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子ども一人一人の見え方に配慮した拡大教科書で学びを支える「四街道拡大写本の会」
目次
1.障がいのある子どもたちの学びを支える「拡大教科書」
2.活動風景
3.「拡大教科書」を届けるために、ボランティアが必要です
1.障がいのある子どもたちの学びを支える「拡大教科書」
「四街道拡大写本の会」は、障がいのある子どもたちの学びを支えるために拡大教科書、拡大図書を主に作成しています。設立は昭和56年と歴史があり、文部科学省に登録して、現在は約25名の皆さんがボランティアで活動しています。小学校から高校までの教科書を対象にしており、依頼は全国から寄せられます。
教科書を発行している出版社の拡大教科書もありますが、一人一人見え方が違うため、個人に合わせた拡大教科書を作成することで、子どもたちは専用の機器やルーペ等の道具に頼ることがなく学ぶことができるようになります。また、自分の目で見て学ぶ喜びにもつながり、オーダーメイドの拡大教科書の意義はとても大きなものになっています。
【写真】中学校英語の拡大教科書
【写真】活動の様子
2.活動風景
活動は月2回(第1・3木曜日)、総合福祉センター3階にあるボランティア活動室で行っています。初めて訪れてもすんなりと入っていけるような和やかな雰囲気の中、皆さん真剣に作業されていました。
文字の大きさや見え方などが記載された製作依頼書カードをもとに教科書の表記通りに拡大していきますが、文字を拡大することにより、図はどこに入れると分かりやすいか、字間・行間・色はどうするかなどニーズに応じた配慮をする必要があります。そのため、教科ごとにチームを組んで話し合いながら進めていきます。
【写真】活動の様子
「四街道拡大写本の会」は、「全国拡大教材製作協議会」http://www.kakudaikyo.org/index.htmlに所属していますが、登録団体の中でも最も多く拡大教科書を作成しているそうです。「その理由は、断らないからです。自分たちが大変でも、困るのは子どもだと思うと、できるだけその子にあった拡大教書を作成して届けたいと思っています」と代表の越島さんは話してくださいました。その思いは、製本が終わった拡大教書も汚れがないかチェックし、少しでも不備があれば工夫して修正してから届けるというところにも表れています。また、活動されている皆さんの中には「この拡大教科書で本当によいのだろうか」という思いが常にあり、子どもたちにとって使いやすい、よりよい教科書を届けようと心がけて作成しています。
【写真】取材風景 代表の越島さんと、岸さん
3.「拡大教科書」を届けるために、ボランティアが必要です
現在の課題は、需要に対してメンバーが不足しているため、依頼があっても断らざるを得ない状況がでてきていることだそうです。拡大教科書ができるまでには、パソコンでの編集作業の他にも、校正、印刷、製本といったさまざまな作業があり、やることはたくさんあります。「パソコンをはじめ互いに教え合って作業していますよ。分からないことは教えてもらえます」という言葉通り、皆さんで協力し合いながら和気あいあいと作業を進めている姿が印象的でした。
教科書1冊を拡大すると10冊以上に分かれるため、時期を分けて納品していきますが、作業量の多さからボランティアの存在が不可欠です。活動に興味をもたれた方は、ぜひ一度、ボランティアセンターに問い合わせの上、総合福祉センターに足を運ばれることをお勧めします。ここではお伝えしきれない作業の雰囲気や、拡大教科書の意義をより感じられると思います。
問い合わせ:043-421-6300 (四街道市ボランティアセンター)
【開催報告】第10回子ども支援交流会・円卓会議 不登校支援に関する意見交換
12月8日(木)文化センターにて、第10回子ども支援交流会・円卓会議を行いました。
今年度のテーマは「不登校支援に関する意見交換」。
不登校をキーワードに、参加者30名(うちスタッフ8名)のみなさんと、
今できることは何か、求められていることは何か、意見交換を行いました。
はじめに、教育委員会指導課教育サポート室の千葉芳子さんから「不登校支援の現状」を、
次に全国の保護者から相談を受けている、不登校引きこもりに悩むお母さんの家庭教師・
中川美奈さんからは「なぜ親の支援が必要か」について、お話を伺いました。
意見交換では、父親がもっと不登校支援の現場に関わると良いという声の他、
学校以外での多様な学びの場、家庭以外の居場所、親同士の関わりの場づくりなど、
「場」の必要性が意見にあがりました。
また実際に子ども支援に関わる参加者からは、不登校の子どもや親と
どのように接するとよいかなど、具体的な助言をあおぐ場面も見られました。
長らく地域で学習支援に関わってきた方、不登校当事者の保護者、
子どもの居場所を運営する方、市内で不登校の親の会を運営する方、
多様な学びに関心のある方など、様々な立場の方が参加された今回の円卓会議、
自己紹介の時間が足りなくなるほどの熱い想いには、誰かが旗を振ったら、
すぐに何かができそうな雰囲気がありました。
千葉さんの
「不登校は、本人、家庭、学校だけで解決できるものではない。
みんなで一緒に考えていく。現状を理解し、学校、家庭、地域が
みんなで一緒に支援していくことが重要」
というお言葉には、
今必要なことのすべてが含まれているように思います。
ーーー
【アンケートから】
●学校以外でも子ども、お母さんがつながることのできる場所があって、
そこにアクセスできる気持ち、状況が大変なのだと痛感しました。
教育委員会の方もご参加くださって皆さんと対話をされていた姿がとても印象的でした。
●自己紹介 みなさんもっと長く話したかったようです。
倍くらいの時間があったら更に良かったと思います。
●大変勉強になりました。 特に父親の役割、子どもの気づきに応えること、
不登校、引きこもりだから特別というわけではなく、家族、
子どものあり方の延長戦にあると思いました。
●教育委員会の方と親支援の方という異なる立場の講演者の話を
聞くことができて興味深かったです。
市民の声が教育委員会にダイレクトに届き何年も待つのではなく
迅速に対応できる市であってほしい。
●不登校の状態も時間の経過と共に変化する。一人一人に合った支援を
適切な時期に行う必要があると言うことは、とてもよく理解できました。
また、母親自身が同じ経験をしている方々と共有できる場を持つことの
大切さを実感しました。 まだまだ知らない支援もありそうなので、
情報交換会や不登校の子を理解するための勉強会のようなものが
あったら参加したいと思いました。
―――
全国的な傾向と同じく、四街道市の不登校の子どもの数も増えつつあります。
お集まりいただいたみなさんのご縁を大切に、センターとして何が実現できるのか、
改めて市民の方と考え、取り組んでいきたいと思います。
みんなで災害支援ネットワーク学習会/支援を活かす地域力ワークショップ
10月19日、みんなで災害支援ネットワークの学習会として、(一社)ピースボート災害支援センター 関根正孝さんを講師にお迎えして、「支援を活かす地域力ワークショップ」を開催しました。今回のワークショップには、39名の方が参加されました。
講師の関根さんの講義「災害支援の現場から」をお聴きした後、グループワーク①「発災時、情報を得る手段、発生しうる課題とは」とグループワーク②「災害時にはどんな課題が起こりうるか考えよう」の2つをテーマに、5グループ(A・B・C・D・E)に分かれ、ワークショップを行いました。
グループワーク① では「情報を得るのが難しい人はだれか」「情報を共有するための工夫を考える」をワーク。グループワーク②では「どのような課題が起こる可能性があるか」「思いついた課題に対してどんな人・組織が 対応できるかを考える」をワークし、 各グループ毎の発表 により、災害時における課題を共有しました。
最後に、澤畠 博 四街道市危機管理監が「四街道市における地域防災の現状」についてのお話をされ、みんなで災害支援ネットワークの今後の取り組みへの新たな指針を得ることが出来ました。
【ワークショップのまとめ】
①「情報を得るのが難しい人はだれか」「情報を共有するための工夫を考える」
地域において、「平時からのつながり」「顔の見える関係」が災害時には大切という意見が多い。一方で、近所とのつながりを作れない、作りたくない人もいるのが現実で、アパート住人や外国人、更にペットを飼っている人たちなど、つながりたくても繋がれない人たちや、人との繋がりが希薄故に、敢えてそこに住んでいる人もいる。それ故に、いわゆるデジタル難民と言われる人々も含めて、孤立している人への情報提供が課題。
②「どのような課題が起こる可能性があるか」「思いついた課題に対してどんな人・組織が 対応できるかを考える」
自治会未加入者への情報伝達や支援が困難ということで、「市民はすべて自治会に加入しなければならないという条例を作った方がよいのでは」というような意見もあった。自治会は、任意団体であることを再確認しなければならない。災害時に、自治会がすべての地域住民を救済しなければならないという誤解があるのか?また一方で、「自治会は、自治会々員のみを支援する」「自治会役員は、自治会の支援活動を行う」という意見から、閉鎖的な体質も垣間見えた。
「課題に対して、対応できる思い当たる人や団体を考える」については、身近な人や自治会、サークルを挙げる人が多数。一方で、災害時に、救援活動の主体となるべき、市や災害ボランティアセンター(社会福祉協議会)を挙げる人がほとんど見当たらず、災害時に、行政が、どのような支援をどのような形、手順で行われるのか?、相談窓口はどこなのか?が市民に伝わっていないことがわかった。まずは「防災」だが、それでも災害が発生したら「どのような手順で、救援・支援を受けられるのか」の情報があれば、それを基により一層具体的な支援策が、議論できたように思われる。
結論として、災害支援は、「出来ることをしてあげて、出来ないことをしてもらう」共助の形に他なりません。
そうであるならば、「出来る人を増やし、出来ることを増やす」人の繋がりが重要になる。そこに、災害支援ネットワークの価値があると思います。
【開催報告】みんなで子育て見学会「おひさま文庫(東金市)」
10月31日「みんなで子育て見学会〜おひさま文庫(東金市)〜」を開催しました。
コロナ禍により2年ぶりに行われた貸切バスででかける見学会、市内外から22名が集まりました。
「おひさま文庫」は、のどかな田園風景に佇む地域の居場所。
子ども×アート×農業をテーマに、蔵書約1000冊があり、そこに併設して「おひさま放課後クラブ」や、親子が一時宿泊できる一時避難所、誰でも立ち寄れるギャラリーカフェを有する複合施設です。
おひさま文庫を運営するNPO法人3.11こども文庫は、理事長で版画家の蟹江杏さんが、東日本大震災で傷ついた福島の子ども達に絵本と画材を送る取り組みから始まりました。名称に「文庫」がつく由来は、この活動が原点にあります。
見学会では、地域の課題に取り組んできた事務局長の鈴木孝雄さんの想いに真剣に耳を傾ける一方、のどかな環境に自然と笑顔になる参加者の皆さんの様子が印象的でした。福祉や不登校など子ども支援に関心のある市民が集い、「こんな活動をしている・してみたい」というアイデアの種を交換できたのも、見学会の大きな収穫です。
おひさま文庫が、地域のささやかな取り組みから始まったように、当センターとしても、見学会で出された声が形になるよう、関係部署とも連携しサポートしていきたいと思います。
【開催報告】みんなで子育て座談会「不登校親の会の運営って、大変?」
2022年9月15日
みんなで子育て座談会
「不登校親の会の運営って、大変?」を開催しました
7月13日に行われたみんなで子育て講演会で、「不登校親の会の運営ってどうしていったらいいの」「現状について知りたい」という声を受けて座談会を開催しました。
市内で不登校親の会を主催している方やフリースクールを運営している方、その活動に関心のある方12名が参加して、ざっくばらんに意見交換をおこないました。
皆さんから話された内容
- 身近な場所に親の会があると良い
- 小さな子どもを連れての参加は難しく開催自体ができない
- 参加者は募集しているが来ない
- 情報が少なくてたどり着けない人が多いのでは
- 話を聞いてもらうだけで気持ちが違うので開催は必要
現状を話す中で、これからどうしていったらいいのか具体的な案も出ました
- 保育をサポートできる人を紹介したい
- 以前、子どもサポートプロジェクトで作成した、「みんなの居場所あんない図」をブラッシュアップしたい。
- 情報発信をしていくためのツールについて考えていきたい
今後も不登校に関する事業の継続が必要であることもわかりました
センターでは12月に予定している「子ども支援交流会・円卓会議」に向けて、情報を整理集約していきます
7月13日に行われた「みんなで子育て講演会」の様子は以下のリンクよりご覧ください
四街道市みんなで地域づくりセンター
住所 | 〒284-0001 四街道市大日396(文化センター1階) 地図(Google マップ) |
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電話 | 043-304-7065 |
FAX | 043-422-7051 |
開館日 | 火-金 9:00-17:00 土(第1・3) 9:00-17:00 |
休館日 | 日、月、土(第2・4・5)、 祝日、年末年始 |
© 四街道市みんなで地域づくりセンター